コロナ禍の心斎橋商店街ドラッグストアの状況(R2.6.21)

大阪南の心斎橋商店街は、近時において大阪市内商業地の中でも最も特徴的な変貌を遂げたエリアの一つと言えます。

次項で書きますように、東京銀座と並ぶ老舗店舗の建ち並ぶ格式のある商店街⇒老舗店舗の流出と閉鎖店舗の増加⇒若者の需要をけん引するブランドショップの建ち並ぶエリア⇒ドラッグストアの乱立するインバウンド向け商業地と、大きく様相を変えてきました。

コロナ前の心斎橋商店街を何度か歩いたことがありますが、圧倒的に外国人比率が高く、ドラッグストアでは免税レジの方が一般レジよりも数倍多く設置されている等で「日本人であることがアウェイ」と感じられる状況でした。

そのような心斎橋商店街が、今どのような様相であるか・またドラッグストアの閉店等が出ていると聞いているが実際のところはどうかを確認するため、日曜日のお昼の心斎橋商店街を歩いてみました。

ちなみに、歩いた感じですが、

  • 私が子供のころの記憶(迷子になったことが有ります):人口密度100%
  • コロナ前のインバウンド全盛期:人口密度90%
  • 現在:人口密度50%

みたいな印象でした。子供の頃に関しては、記憶があいまいですが…。

心斎橋商店街の歴史

せっかくなので、本題に入る前に、心斎橋商店街の歴史を簡単に振り返ってみます。

その始まりは定かでは有りませんが、延享5年(1748)刊「難波丸綱目」に、「ぬり物屋、書物屋、古道具や、経師や、琴三味線、かざりや、其外諸商売多し」と記されているとおり、江戸時代より既に商店が集積していたようです。

明治・大正期には「東の銀座、西の心斎橋」と呼ばれる地位を築き、大阪では心斎橋に店を持つことがステイタスとされる時代が続きました。

しかし、バブル経済の崩壊に伴う購買力の低下や、消費スタイルの変化等を受けて、心斎橋筋商店街も苦しい時代を迎え、老舗店舗の移転・閉店等が見られるようになりました。

この象徴ともいえるのが、平成12年12月のそごう閉店で、同時期には閉鎖店舗等も多くみられるようになり、「新規出店を希望するのはパチンコ店かゲームセンター程度」で、オーナー様もリーシングに非常に苦しんだ時代でした。

このような状況の中、平成17年頃から同商店街の入居テナントが、中高年向けの老舗店からファストファッションに代表される若年層向けのテナントに変化していきました。

転機となったのが平成17年のユニクロ心斎橋店の出店で、以降H&M・ジャーナルスタンダード・ビューティー&ユース・アーバンリサーチストア・センスオブプレイス・ウィゴー・コレクトポイント等が出店を続け、心斎橋商店街は大阪市内ではブランド路面店が最も集積した場所となりました。

平成22年に旧そごう・大丸北館に若年層にターゲットを絞った「うふふガールズ」がオープンしたこともこの時代を象徴する事象と言え、これが若年層を吸引するとともに、インバウンド需要をもけん引するようになりました。

そして中国人観光客が急増し、『爆買い』が流行語となった平成25年~平成26年頃からジワジワとドラッグストアが増えてきました。

ドラッグストアは、店舗面積当たりの売り上げ効率も高く、折からのインバウンド・ブームと合わせて出店さえすれば爆発的な売り上げが期待される状況ですので、高額な賃料を支払っても十分に採算が取れました。

この中で、ドラッグストアの成約賃料が心斎橋商店街の賃料水準をけん引し、一時期は「1階店舗の成約水準は坪30万程度」とまで言われるようになっていました。

心斎橋ドラッグストアの現況

ぶらっと歩きつつ、写真を撮りつつの簡単な目視ですので、見逃しはあり得ます。また、カウントしたのは心斎橋筋商店街沿いの1階店舗のみです。

以上を前提に、ドラッグストアの状況と、その他気付いた点などを区画ごとにまとめていきたいと思います。

心斎橋筋商店街作成の以下の地図を見ながら見て頂けると、より分かりやすいかと存じます。

⇒心斎橋店舗地図(別のタブで開く)

鰻谷北通~鰻谷南通り間(1店/2店営業中)

H&M・ユニクロ・三木楽器などの建ち並ぶ区画です。

ドラッグストアは、東側にOSドラッグ・ツルハドラッグの2店舗がありますが、前者は営業中・後者は4月16日より臨時休業中で、営業再開日は未定でした。

鰻谷南通~大宝寺通り間(3店/4店営業中)

大丸北館(旧そごう)のある区画です。

ドラッグストアは、東側にダイコクドラッグ・スギ薬局・Piumagi・SUNドラッグの4店舗あり(密度高いです)、各々以下の通りでした。

  • ダイコクドラッグ:営業中でしたが、『地下1階閉店セール』を行っていました。
  • スギ薬局:営業中でした。
  • Piumagi:5月1日より当面の間臨時休業中でした。
  • SUNドラッグ:営業中でした。

大宝寺通~清水通間(ドラッグなし)

大丸本館のある区画です。

この区画にはドラッグストアは有りませんでした。尚、大型靴店のThe Maling靴店が、建物建替に伴い閉店する旨の看板を挙げていました。

清水通~周防町通間(2店/2店営業中)

大丸南館のある区画です。

この区画には、東側にコクミンドラッグ・西側にマツモトキヨシ(旧アセンス区画)があり、ともに営業中でした。

周防町通~八幡通間(2店/4店営業中)

ディズニーストアやGUのある区画です。

この区画も激戦区で、東側にマツモトキヨシ・ツルハドラッグ・コスモスが有り、西側にSUNドラッグが有りました。

  • マツモトキヨシ:営業中でした。
  • ツルハドラッグ:4月16日より臨時休業中で営業再開未定とのことでした。
  • コスモス:営業中でした。
  • SUNドラッグ:5月1日より当面の間臨時休業中でした。尚、このお店は地価公示<大阪中央5-23>に指定されたポイントで、令和2年1月1日現在の価格が18,700,000円・対前年変動率が+17.6%でした。

この他、上記サンドラッグの北側にもドラッグストアがあったと記憶していますが、建物建替工事が進められていました。

八幡通~三ツ寺通間(2店/2店営業中)

アディダスや市場寿司のある区画です。

この区画には、東側にダイコクドラッグ・ツルハドラッグがあり、両店とも営業中でした。

三ツ寺通~曽右衛門町通間(1店/1店営業中)

ZARAがある区画です。

ここはマツモトキヨシ1店のみで、営業中でした。

尚、B1・2F・3Fにダイコクドラッグの入っているビルがあったのですが、B1は休業中になっていました。

心斎橋筋商店街全体でのドラッグストアの状況と雑感

以上、心斎橋商店街には15件のドラッグストアが有り、うち11件が営業中・4件が臨時休業中でした。「半分くらいが閉店」などという話を聞いていたのですが、多少話が大きくなっているようでした。

但し、高い家賃を払いながら臨時休業を行わざるを得ない状況は、相当に苦しいと思われます。インバウンドの回復が遅れた場合には、日本人向けには確実にオーバーストアですので、撤退店舗も出ざるを得ないでしょう。

一部ではインバウンド需要の回復を狙った取引・賃貸等も始まっているとのことで、臨時休業店舗は「とりあえずの様子見」をしている段階かと思いますが、インバウンド需要の回復の速さ(「遅さ」が適切でしょうか?)如何で、心斎橋筋商店街はさらなる変容を遂げるかもしれません。

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