心斎橋筋商店街の賃料水準を概観(2020.7.15改訂)

大阪の商業地域の中で、最もインバウンドの影響=新型コロナウイルス蔓延の影響が大きい地域が心斎橋エリアと言えます。

弊社でも地代増額・家賃増額・家賃減額・立退き・売買・共有物分割・借地条件変更等で関わらせて頂いている(現在進行中も含む)エリアですので、その動向は気にかけている所です。

この中で今回、CBRE発行の店舗賃料相場データを時系列的に並べ、各種の要因と統合してみたところ、興味深い結果になりましたので、記事にしてみました。

心斎橋筋商店街の賃料推移と出店状況等

まずは同調査の1階店舗賃料と、その付近で起こった特徴的な事象と、ドラッグストアの出店状況をまとめてみました。

CBREの調査にあるのは下限賃料と上限賃料で、平均賃料はこちらで計算したものです。

「備考及びドラッグ出店」欄は、同調査の中のコメントを中心に、当方で情報を追加して記載しました。

心斎橋賃料推移

この表には有りませんが、平成17年のユニクロ心斎橋店(現GU心斎橋店区画)の出店以降、ファストファッションを中心とする若者向けの店舗の出店が目立つようになって来ていました。

この流れのなかでリーマンショックが起こり、H21・H22(青の網掛け部分)でボトムになっています(但し、心斎橋商店街は、若者向けファッションブランドの集積の勢いが有ったので、リーマンショックの影響は比較的小さかったと予想されます)。

その後、H26辺りから急激な賃料上昇が始まり、H30・R1(黄色の網掛け部分)で最高水準を記録していました。

心斎橋筋商店街の賃料推移と地価推移

次に、心斎橋筋商店街内(心斎橋筋2-8-5・サンドラッグ心斎橋中央店)に設定された『地価公示 大阪中央5-23』の推移と重ねてグラフ化してみました。

心斎橋店舗賃料と地価推移

地価との関係性は、「まあ、穏当かな?」という印象ですが、最近は賃料が頭打ち的な動きの中、地価の上昇は大きいように思えます。

尚、このポイントについては、次の結果が出るのが令和3年3月になりますが、心斎橋筋商店街の南側近接・戎橋かぶりつきに設定された『地価公示 大阪中央5-2』(中央区宗右衛門町7-2)は『地価調査 中央5-3』と共通ポイントになっていますので、令和2年10月末頃にR2.7.1時点の価格が分かりますので、要注目です。

賃料については、グラフにして初めて明確になることですが、下限賃料は比較的おとなしく、上限賃料が大幅に上がって、これに引きずられて平均が上がっている構造が認められます。

また、上限は比較的早くに天井を打っている点も興味深いです。

これらを合わせて考えると、

  • インバウンド需要の増加に伴い、賃料負担力の高いテナントに誘引されて、上限値がどんどん上がっていった
  • これに引きずられて、賃料相場自体が上昇した
  • 賃料上昇が続く中で、インバウンド需要にブーストされたドラッグの賃料負担力は、他業種に比べて抜きんでる形になった
  • 平成27年辺りから、ドラッグの採算性の限界である坪30万円が上限値として動かなくなった
  • ピークの下限>ボトムの上限となった平成31年辺りでの状況は、そもそも限界があった(宣伝効果等を狙わない、純然たる収益性の検討を行ったうえで、入居できるテナントは極僅かであったのでは?)

というような想像が出来るようになります。

心斎橋筋商店街の賃料推移と来阪外客数推移

最後に、賃料推移と大阪観光局の発表する「来阪外客数」の推移を重ねたものをグラフ化してみました。

来阪外客数

来阪外客数の伸びが著しいのが平成26年(対前年比+43.0%)・平成27年(対前年比+90.4%)ですが、賃料としっかりシンクロしています。

平成25年辺りまでは国内消費が中心に形成されていた賃料で、かつ、リーマンショックによる消費の冷え込み・若者をターゲットにしたテナント中心での賃料水準ですので、この辺りがアフターコロナを考える際の基準値になるのではないでしょうか。

この記事のまとめ

この記事では、CBREの店舗賃料相場データから、1階店舗の賃料を時系列的に並べるとともに、各種の事象・ドラッグストアの出店状況・地価・来阪外客数を眺めてみました。

これらを見ていますと、上に書いた以外にもいろいろな考察が出来るのですが、仕事(鑑定・コンサル)ではないブログ記事ですので、取り合えずこの辺りで(笑)。

尚、同エリアについては、今後も積極的な情報収集・現況分析等をしてまいりますので、同エリア内での賃料改定等の際には、是非弊社までご相談ください。

 

 

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