大阪都心部賃料減額請求対応マニュアル(2020.8.12更新版)

8月に入りましたが、新型コロナウイルスの感染拡大はさらに広がりを見せ、収束の兆しが感じられない状況にあります。

⇒NHK新型コロナウイルス特設サイト(感染者数)
※感染者数だけでなく重症者数の推移もグラフ化されていて分かりやすいです。

不動産の家賃減額交渉に関してみると、前月と大きく対応を変えるところは余りないのが現状ではありますが、各種発表データにコロナの影響が顕在化してきた感があります。

今月は、このような点を中心に見ていきたいと思います。

以降、記事の中で過去記事を参照している箇所が有ります。過去記事についても今回と同じパスワード 3208 で読んでいただけます。

大阪都心部店舗物件の賃料減額対応

店舗系テナントの状況と賃料水準の変化

感染拡大が進む中で、大阪府では8月6日より、ミナミの飲食店舗について休業要請を開始しました。

⇒日経ウェブ:大阪府、6日から休業要請 ミナミで対策呼びかけ

対象地域である御堂筋~堺筋間・長堀通~千日前通間の店舗はもちろん、飲食系店舗は変わらず甚大な被害を受けています。

また、銀行支店の統廃合等も進んでいるようで、ビルの1階店舗が空き店舗となっている状況も見受けられます。

このような中で、不動産仲介大手のCBREが店舗賃料のレポートを発表しましたが、当該レポート内での梅田プライム賃料・心斎橋プライム賃料は、いずれも対前期比△16.7%(30万円/坪⇒25万円/坪)となっていました。

※前期は市場の混乱により数値発表がなかったので、実質的には半年前の前々期比になります。

⇒CBRE:ジャパンリテールマーケットビュー 2020年第2四半期

かなり刺激的な数値ですが、特に心斎橋は事例がない中での想定値と予想され、今後成約事例が出てきた際には、更に大幅な下落数値が発表されるのではないかと思われます。

大阪都心部店舗の賃料減額対応

基本的な対応は、前回同様です。

⇒前回記事:大阪都心部賃料減額請求対応マニュアル(2020.7.14更新版)
※PW 3208 で読めます。

但し、上記のように賃料下落が数値として発表されると、賃料減額交渉はテナント優位になってきますし、低廉な成約事例が実際に出てくるとそれが決定的になります。

心斎橋等の激しい賃料下落が予想されるエリア内に物件をお持ちの場合は、安価な成約情報が市場に出回らない間にあえて基本契約の減額(小幅なもの)を行って『直近合意』を作り、今後の大幅な賃料減額を防止することが有効と思われます。

大阪都心部オフィスの賃料減額対応

不動産仲介大手三鬼商事による7月の大阪オフィス賃料レポートが出ました。

⇒三鬼商事:オフィスマーケットデータ 大阪ビジネス地区/2020年07月時点

トータルで見ると、大阪オフィスエリアの空室率はまだ3%以下で、大幅な賃料の下落も感じられませんので、継続賃料下落期に至るまでは、まだ相当の時間を要すると思われます。

ですので、コロナ前に始めた賃料増額交渉は、強気で行っても問題ないですし、今、減額交渉が行われたとしても、基本的には減額の義務はないものとして、ビジネスジャッジを行っていただければ良いでしょう。

以上を踏まえた基本的な対応は、前回記事をご参照ください。

⇒前回記事:大阪都心部賃料減額請求対応マニュアル(2020.7.14更新版)
※PW 3208 で読めます。

但し、将来の中期的な話をしますと、感染拡大が収束しない状況のほか、

  • そもそも2022年 にはオフィス床の大量供給があり(約5万坪)コロナ前よりそのころから賃料下落期になることが予想されていたこと
  • コロナが顕在化しだした頃より、空室率が着実に上がってきていること(2020年4月が2.00%だったものが、7月は2.71%になっています)
  • 船場地区4.26%・南森町が3.51%・新大阪が3.39%と、標準的な空室率と言われる5.0%に近くなってきたエリアがあること

に鑑みると、すでに賃料下落期に突入したとみるほうが妥当と思われます。

新規賃料の下落が大きくなってきて、格安の成約事例が出てきますと、テナント側としては大幅な賃料減額交渉を行いやすくなってきます。

もちろん、賃料増減額は直近合意賃料との兼ね合いで決まるので、直近合意賃料が廉価な場合には下げを言われても裁判になれば負けないわけですが、契約・直近改定時点の新しい物件については、直近合意賃料>市場賃料になるポイントが早く訪れます。

このようなテナントについては、契約更新の時に不増減額の合意を明確にした覚書を作成することによって、『直近合意』を作成し(不増額合意・不減額合意も直近合意を形成します)、今後賃料下落期に転じた際の『強い減額交渉』を防ぐことも一考と思われます。

大阪都心部居住用物件の賃料減額対応

こちらも基本的な対応は、前回同様です。

⇒前回記事:大阪都心部賃料減額請求対応マニュアル(2020.7.14更新版)
※PW 3208 で読めます。

発表数値等で特筆すべきものは無かったのですが、学生向け賃貸物件の状況が悪化しているという記事がいくつか出ていたのが気になるところでした。

⇒全国賃貸住宅新聞:学生の賃貸需要に急ブレーキ
※会員限定記事ですが、無料会員登録で全文を読めます。

また、不動産関連の職種の方との情報交換の中では、難波エリアでの解約が多くなっている・4万円程度の物件の引きが少なく解約も多い等の意見が聞かれました。

 

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過去記事へのリンク

  1. 賃料増減額交渉の前提となる法律知識
  2. 賃料増減額交渉の進み方
  3. 大阪都心部店舗の賃料減額対応(2020.5.7現在)
  4. 大阪都心部オフィスの賃料減額対応(2020.5.8現在)
  5. 大阪都心部住居系物件の賃料減額対応(2020.5.8現在)
  6. 大阪都心部賃料減額請求対応マニュアル(2020.6.18更新版)
  7. 大阪都心部賃料減額請求対応マニュアル(2020.7.14更新版)

※いずれもパスワード 3208 でご覧いただけます。

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