遺産分割で不動産の共有をお勧めしない4つの理由

物理的に分割できない不動産が相続財産となった場合、ついつい安易に取ってしまうのが、兄弟同士等で「共有」にしてしまうことです。

手続きも簡単ですし、公平に分割できるので、遺産分割協議が整いやすいことから、ついつい「共有」にしてしまうんですね。

勿論相続人皆が何時までも最高に仲が良ければよいのですが、関係性がこじれだしたりすると、いろんなトラブルが待っています。

運用・売却等が難しい

共有物に関しては、『保存行為』(修繕等)は各共有者が単独でできますが、

  • 賃貸に供する等の『管理行為』は、共有持ち分の過半数の同意が必要
  • 売買する等の『変更行為』は、共有者全員の同意が必要

というような民法上の制限が有ります。

ですので、その不動産を運用したり売却したり…が思うように出来なくなります。

このような状況の中、考え方の違いで、共有者間の関係性が悪くなってしまうことも有ります。

運用中に温度差に差が出る場合も

自分たちの住まない収益物件等を共有物件にした場合、不動産賃貸は不労所得と言いつつも、賃貸管理・清掃修繕等諸々手をかけていく必要が有ります。

この中で、熱心にこれを行う共有者と、何もせず放置してしまう共有者が出てくるのは良くあることで、これによって共有者間の関係性が悪くなる可能性も有ります。

相続が進むと更にややこしく

1次相続であれば、共有者は親子・兄弟等の関係性なので気心も知れています。

しかし、相続が進むうちに、相続人の人数も増えますし、共有者間の関係性も薄まっていきます。

この中でトラブル発生の可能性が高くなるのは、想像に難くない事です。

競売・公売等で共有持ち分が他人の手に渡ることも

前記に書いた通り、売却等は共有者全員の同意がいる共有物ですが、競売・公売の場合は例外です。

共有者の一人が経済的に行き詰った場合等に、共有物の『共有持ち分』が競売等にかけられる場合が有ります。

「共有持ち分なんて誰も買わないだろう」と思われるかもしれませんが…そういうのが好きな人もいるんです!

共有者は、『共有物分割請求権』と言うのを持っていて、これを行使することで「この物件を分割してよ!」という事が可能です。

簡単に分割できるものであれば、分割すればよいのですが、基本不動産は分割困難ですので、その場合は「じゃあ、自分の共有持ち分を買ってよ!」という事が出来るのです。

この構造の中、この人たちは、『共有持ち分』を安く購入して、他の購入者に高く売って利益を出すことを目的として、だれも手を出さない『共有持ち分』を購入するんです。

もちろんこの種の方々は、「一筋縄では行かない人たち」ですから、関わりたくないですよね。

この記事のまとめ

以上のように、簡単に出来てしまう不動産の「共有」ですが、状況によっては好ましくない事態(相続人間の関係性をややこしくする事態)が生じる可能性が有ります。

相続人間の関係性を良好にしておくことは、その後の相続等においても有効ですので、安易な共有を行わず、不動産は単独所有にしたうえで、上手く調整を行うことを、強くお勧めします。

 

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