相続時には、遺留分減殺請求に注意を!

昨今、団塊の世代の方々の相続が多く発生する中で、遺留分減殺請求に関連するご相談が増えてきています。

遺留分は法律上の権利ですので、皆さま遺産分割協議等の中でも一定の配慮はされているはずなのですが、いざ請求されてみると思った以上の額を主張されてびっくりしてご相談にこられる方が多いです。

その原因の一つに、不動産に関しての、相続税申告時の評価と遺留分減殺請求時の評価が違うことが挙げられます。

相続税申告時の評価

相続税申告時の不動産評価は、原則「時価」なのですが、

  • 土地は相続税路線価を使用した評価
  • 建物は固定資産税評価額

で評価を行う「通達評価」と呼ばれる方法が一般的で、評価するのも税理士の先生が行う場合がほとんどです。

この方式は、過度な税負担を避ける意味で、実勢価格よりも安価になるような仕組みが施されています。

遺留分減殺請求時の評価

これに対して、遺留分減殺請求時の評価は、「時価」になります。

最終的には、遺留分計算時の不動産価格は当事者で合意して決めることから、(安価な物件等)相続税申告時の価格を援用する場合も有りますが、上記にも書かせていただいた通り、相続税申告時の価格は安くなる傾向が有りますので、遺留分減殺請求をする側が鑑定評価書等を添付してきて「こんなに高い!」と主張してくるというのが典型です。

相続税申告時価格<時価となる典型パターン

遺留分減殺請求関係で、まず問題になるのが、相続税申告時価格<時価となるパターンです。

これが証明されると、「思った以上の請求が来てびっくりする」形になります。

立地等に優れる収益用不動産

収益用不動産は、購入するのが投資家ですので、「時価」は収益目線(収益価格)で決まります。

しかし、相続税申告価格には、収益性を反映する項目が有りません。

この中で、下手をすると倍半分以上の価格差が生じる可能性が有ります。

特に都心部の物件は、相続税申告価格と時価がかい離する傾向が有りますので、要注意です。

事業用定期借地権付の底地

自分で土地を使用できない「底地」の時価は、市場においては収益目線(収益価格)で決まります。

相続税申告価格は、「更地よりも安いでしょう」ということで、更地価格ー相続税路線価による借地権割合に基づく借地権価格で評価が行われ、更地の20%~50%(40%の地域が多いです)で決定され、ここには全く収益目線が入っていません。

この中で、事業用定期借地権の付いた底地(スーパー・ドラッグストア・コンビニ等の敷地で、このような形態が多いです)に関しては、高額な地代が支払われている結果、更地価格を超える価格で取引される場合が有ります。

都心部の居宅等

上記の2つは、「時価」に収益目線が入ることで、相続税申告価格<時価となったわけですが、これ以外の原因で時価の方が高くなる可能性があるのが都心部の居宅等です。

居宅等に関しては、相続税申告時の価格も、時価も、土地価格+建物価格で決まるわけですが、都心部においては相続税申告額の基礎となる相続税路線価が、実勢との比較において大きく廉価に設定されている場合が有ります。

相続税路線価は、「実勢価格の8割」という建付けになっていますので、実勢価格÷相続税路線価=1.25となるのが理論値ですが、都心部では実勢価格÷相続税路線価=3というようなバランスになっている場合があります。

このような場合、鑑定等をとると、申告時価格を大きく上回る時価が出てくる可能性が有ります。

トラブルを避けるためには

このようなトラブルを避けるためには、相続時(もしくは相続発生前)に、不動産の時価を概算的にでも把握しておくことが一番です。

弊社では、相続税申告のみならず、遺産分割協議・遺留分減殺請求の全体を見据えて、不動産時価を把握するメニューを提供させていただいております。

この記事と被る内容も有りますが、弊社HPの「相続税申告・遺産分割協議・遺留分減殺請求時の鑑定評価等」もご一読頂けましたらと存じます。

 

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