不動産鑑定評価基準の全体構造と基準が「分かりにくい」理由

1か月でザックリ分かる不動産鑑定理論基礎講座の第1週目・第2日目は、『不動産鑑定評価基準の構造と鑑定評価基準が分かりにくい理由』についてです。

学習において「目次が大切」というのは良く言われることですが、これは「今学んでいることが、全体のどこにあるのか?」が分かっていないと学習が進みにくいからです。

ですので、この回で、まずは鑑定評価理論の全体構造を押さえてしまいましょう。

そして、実はこの全体構造が、「鑑定評価基準が分かりにくい理由」にもなっています。

理由が分かれば対応も可能という訳で、この分かりにくさ(というか、初学者は分からなくて当たり前です)の理由も認識しておきましょう。

不動産鑑定評価基準の全体構造

不動産鑑定評価基準は、目次を見ますと、総論第1章~総論第3章、各論第1章~各論第3章に別れます。

これはこれで間違いなく全体構造ですが、もう少し各部分の機能を浮きだたせた方が分かりやすいです。

個人的には、以下の4パートからなる構造として把握していただくと、理解しやすいと思います。

1.共通認識を形成する総論第1章~総論第4章

まず、これから不動産鑑定評価の話をする中で、「話をする者同士の共通認識」を形成しておいた方が、物事はスムーズに進みます。

鑑定評価基準においてこれを行っている部分が、総論第1章~総論第4章になります。

結構なボリュームが使われている訳ですが(総論の半分程度)、あくまでも「共通認識の形成」だけなので、「どうやって評価を行うのか?」というような具体的な話は一切出てきません。

また、役割の性格上、どうしても抽象的になってしまいます。

最初はあんまり気合を入れずに、「何となくでいいよね!」位の気持ちで進むのがコツですね。

2.具体的な評価方法を定めた総論5章~総論9章

前回説明させていただいた通り、不動産鑑定評価基準は「不動産鑑定士のルールブック」ですので、抽象的なことだけを言っていても仕方が有りません。

具体的に評価を行う中で、「どんな手順で何をするのか?鑑定書にはどういうことを書くのか?」という事もルールブック内にしっかりと記しておく必要が有ります。

これを定めた部分が、総論5章~総論9章になります。

この部分は、実際の鑑定評価を行う際のキモになる部分ですので、出題可能性も高い重要な個所になりますが、総論第1章~第4章のようなフワフワした内容ではないので、「勉強している気」になりやすいところだと思います。

ちなみに総論第1章~総論第4章と、このパートとの関係性は、「総論第1章~総論第4章にある共通認識を踏まえて、総論第5章~総論第9章の作業を行う」という関係性になります。

3.より具体な評価方法を定めた各論第1章と各論第2章

次に、第2章で学ぶ『類型』(とりあえず気にせず進んでください)を切り口として、より詳細な『類型』の特徴や評価論を定めたのが各論1章・各論2章です。

ここは、ある程度の総論の理解が無いと理解が進みませんので、最初は「へ~、こんなん有るんや~」程度で流しておいて、ある程度総論の理解が進んだ段階で気合を入れていくのがお勧めのやり方です。

4.『証券化対象不動産にかかる特則』を定めた各論第3章

各論第3章は、『証券化対象不動産』(とりあえずは、「一番鑑定士の責任が重く、しっかり評価しないといけない不動産」と思ってください)の評価に関する特則です。

どちらかというと、「不動産鑑定評価基準の細則」にあたる『留意事項』に載っている方がすっきり来るような内容ですので、「総論・各論1~2の理解が出来てから頑張る」というスタンスも有りだと思います。

鑑定評価理論が分かりにくい理由

上記の構造…ややこしいですよね。

そして、実際の評価(あるいは論文問題)になると、『第○章の話』とかではなく、各章の内容が有機的に絡んできます。

更に、基準の順番に従って第1章から勉強していくと、フワフワした抽象的で評価との関係性も不明瞭な部分から勉強することになって、何を勉強しているかの実感が持てなくなります。

以上が、不動産鑑定評価理論を分かりにくくしている原因です。

とすると逆に、理解を促す勉強法としては、

  • まずは第5章から第9章のイメージを先に掴む
  • これを踏まえた上で、第1章~第4章の重要部分のイメージを掴む
  • 各論は、上記が出来てからゆっくりと

という風な、流れが望ましいという事になります(本講座は、この流れになっているのでご安心ください)。

お疲れさまでした!

第1週目の第2日目、お疲れさまでした!

今回は、

  1. 総論第1章~第4章:共通認識を形成するための抽象論
  2. 総論第5章~第9章:具体的な評価方法を規定
  3. 各論第1章・第2章:第2章『類型』毎のより詳細な評価方法
  4. 各論第3章:証券化対象不動産の特則(留意事項的)

という4パートからなる構造と、この構造・勉強の順序が鑑定評価理論を分かりにくくしているという事を解説させていただきました。

まあ、皆さんの場合、この「分かりにくさ」を払拭するための本講座を読んで頂いているので、他の方より有利なわけですが、上記の構造を分かっているのといないのとでは、各パートの理解・全体の理解が変わってきます。

ですので、資格試験予備校の講義等を受ける際にも、上記に照らして「今習っているところがどういう性格の部分か」を意識しつつ、後回しにした方が良い部分は積極的に後回していく『気楽さ』をもって進んでいきましょう!

尚、第3日目~5日目は、受験の方に特化した内容になりますので、受験生でない方は、第2週目の第1日目にお進みください。

まだ余力のあるという受験生の方は、以下のリンクから第3日目にお進みください。

⇒不動産鑑定士試験短期合格の為の3つの戦略

また、今回の内容に質問等のある方は、k-usui☆usui-rea.com(☆を@に変えてください)までメールしていただけましたら、概ね1週間程度で回答するよう努力します。

尚、メールを頂く際には、『不動産鑑定理論基礎講座本編』を読んだ旨・ご自身のお名前は必ずご記入くださいね。

それでは引き続き、どうぞよろしくお願いします。

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