一棟建物(オフィスビル)の賃料増額コンサルティング

現下における大阪中心部のオフィス市場は、需要に対して供給が低迷していたこともあって、空室率の低下と新規賃料の上昇が顕著であり、オーナー様が賃料増額を行うに当たっては絶好のタイミングと言えます。

実際に、大阪のオフィス賃貸市場では賃料増額事例も増えてきており、今まででは考えられなかったような改定率での賃料増額も見られるようになってきています。

参考⇒大阪の家賃増額幅の常識が変化しつつある?(2019年7月27日)

賃料増額が成功しますと、費用はあまり変わらずに収入だけが上昇しますので、ビル全体の収支バランスが向上します。

この結果、ビル全体で10%の賃料増額を行いますと、(物件にもよりますが)不動産の全体価格は15%程度上昇することになりますので、賃料増額の効果は絶大と言えます。

一棟建物(オフィスビル)全体の改定交渉の難しさ

とはいえ、一棟建物(オフィスビル)全体の賃料増額交渉を行おうとした場合には、賃料増額交渉一般に妥当する『賃料交渉にまつわる困難性』に加えて、

  • どのテナントから交渉を始めていくかという交渉の順位
  • テナント側の「結託」を防ぐ交渉進行
  • 各々のテナントに対して主張していく改定条件のバランス

等も出てきます。

単体のテナントについて賃料改定を行なう場合と比較して増額幅も大きい分、難易度も高くなるというわけです。

一棟建物(オフィスビル)全体の改定交渉の理想的な手順

以上のように効果的では有るものの、特有の難しさも存する一棟建物(オフィスビル)全体の改定交渉ですが、その理想的な手順は以下のとおりです。

1.各テナント専有区画の新規賃料水準を探る

まずは、交渉の基礎になる新規賃料水準を探ります。

オフィス床の場合には、階層・位置等による賃料格差はあまり無いですが、規模・形状・柱の配置等によって使いづらい区画はやはり減価が生じますので、この点についての検討も行うのが理想です。

2.各テナントの現行賃料との差額を認識する

上記で求めた各区画の新規賃料水準と、現行契約における賃料の差額が賃料改定における最大上げ幅となります。

この段階で、民民交渉での目線である『現行賃料と新規賃料の半額』がどの程度の額・上昇率になるのかも掴んでおきます。

3.各テナントの契約内容・賃料改定の経緯を整理

賃料増額の調停・訴訟等においては、前記の賃料差額だけではなく、前回の改定時点(直近合意時点)が何時で、それ以降に『直近合意賃料を不相当なものとするだけの事情変更』があるか否かが重要になります。

また、契約締結時の事情や、賃料改定の経緯も、改定後賃料を決定するに当たってのファクターとなります。

更に、契約上の特約(不増額特約等)の有無によっても改定可能性が大きく変わってきます。

ですので、個々のテナントについて、契約内容及び賃料改定の経緯について整理を行う必要があります。

4.直近合意時点以降の地価・公租公課等の推移の把握

賃料増額の調停・訴訟等で増額を勝ち取るためには、前記の『直近合意時点以降の事情変更』が有ることを証明するために、地価水準・課税額・賃料水準等の上昇を示していくことになります。

これを逆の視点で見ると、賃料増額の調停・訴訟等において、これらの上昇を示せなければ、オーナー様側は不利な立場となります。

今の大阪の状況ですと、『全て上がっている』という感覚を持たれるかと思いますが、直近合意時点の如何によっては、むしろマイナスになっている場合もありえます。

令和元年8月時点の大阪都心部の地価水準は、概して平成12年頃の地価水準と同等になっているイメージですので、直近合意時点がそれ以前ですとテナント側から「地価はむしろ下がっている」と言われかねません。

また、賃料については、現在の大阪都心部のオフィス賃料水準は、リーマン・ショック(2008年9月)前の水準に届くか届かないか…というイメージですので、直近合意時点が平成20年以前ですとテナント側から「家賃はむしろ下がっている」と言われかねません。

公租公課に関しては、最近でこそ上昇が著しいものの平成27年評価替え辺りまでは市内中心部でも下落推移をたどっている場合もあります。

賃料増額交渉は、調停・訴訟等も視野に入れておく必要がありますので、テナント毎に直近合意時点を整理したうえで、地価水準・課税額・賃料水準がどのように動いているか整理しておく必要があります。

5.各テナントに対する改定目標賃料等の設定

以上を踏まえて、各テナントの『改定目標賃料』等を設定します。

具体には、

  • 最初にテナントに提示する賃料
  • 落とし所としての改定目標賃料
  • 調停・訴訟に進んだ際の費用対効果も勘案した、最低限度妥協できる賃料

を予め決めておくことが、スムーズな交渉に繋がります。

また、交渉過程においては、テナントの方からも様々な提案(ex.上げるのは良いが、来年からにして欲しい等)が出てきますので、賃料以外での譲歩案も予め検討しておくべきです。

6.交渉順序の決定

前記1.~5.の内容と、オーナー様とテナント様の関係性を踏まえて、交渉の順序を決定していきます(これをしないと、賃上交渉初期に費用対効果の悪いテナントとトラブってしまう可能性が出てきます)。

まず、交渉過程においては、「他のテナントの状況は?」という話が必ず出てきますので、まずは改定実績を作ることが重要ですので、そのために最優先で交渉するテナントもピックアップしておくべきです。

また、状況によっては、次回の改定期等に交渉を行うほうが有利になるテナントも出てきますので、今回の交渉対象外テナントを明確にすることも重要です。

7.具体の交渉開始

以上を踏まえた上で具体の交渉をしていきます。

交渉の過程ではテナント側の要求にも対応しつつも、各テナント感の成約条件に『理屈の付けられない差』が出ないようにしていくことも意識する必要があります。

また、微小な増額であれば、あえて交渉決裂にしておいて次回交渉に繰り越す方が有利になる場合もありますので、この辺りも冷静な判断が必要です。

弊社の提供する一棟オフィスビル賃料増額コンサル

一棟オフィスビルの賃料増額交渉においては、前記の通りの下準備が非常に重要になり、これを行うことで調停・訴訟でいたずらに時間と費用を浪費すること無く、効果的な増額交渉が行えるようになります。

但し、これを行うには、現在の不動産市場に対する理解・借地借家法に対する理解・調停や訴訟に対する理解と肌感覚が必要で、正直、一般の方には困難な部分がございます。

そこで弊社では、賃料増額コンサルティング業務として、

  • 各テナント専有区画の新規賃料の導出
  • 各テナントにかかる賃貸借契約状況の整理
  • 各テナントごとの直近合意時点以降の地価・賃料水準等の推移の整理
  • 各テナントごとの目標賃料の設定
  • テナントの交渉難易度に応じたグルーピング

を行うサービスを提供させていただいております。

また、

  • 現在の大阪オフィス賃貸市場の特性(空室率の低下と賃料上昇)
  • 対象不動産の特性(立地性・建物のグレード・大規模修繕の有無等)
  • 同種の物件の近時の成約事例

を盛り込み、テナントとの賃料交渉の際にも使用していただける

  • 基準階新規賃料にかかる意見書

もサービスの中で提供させていただきます。

更に交渉過程においては、随時ご担当者様からの質問等に回答させていただく他、2週間に1度程度定例会を開かせていただき、進捗状況のご相談を承ります。

なお、調停・訴訟等に進んでしまった場合は、上記の作業を既に行わせていただいていることを勘案し、割引価格で鑑定評価書等を作成させていただきます。

費用に関しましては、物件の規模等によって異なってまいりますが、増額可能額(見込額)の2~3ヶ月程度をイメージしていただければと存じます。

お問い合わせ頂けましたら、大まかな増額可能額と費用のお見積りを無料でさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

注記-テナントとの交渉について

弊社のサービスの中では、具体のテナントとの交渉については含まれておりません。

不動産鑑定士がこれを行いますと、非弁行為(弁護士の独占行為を弁護士以外の者が行うこと)に抵触することになるからです。

テナント交渉まで任せたいお客様や、調停・訴訟に進む場合も勘案した法律的なサポートも希望される方に関しましては、賃料交渉に実績のある弁護士との業務提携も結んでおりますので、併せてご相談下さい。

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携帯も利用可なフリーダイヤルを用意させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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